『花喰い』と親しむなかれ。
見目麗しき姿を使い、
少女の色香を喰む悪魔ぞ。

『花喰い』に出会うことなかれ。
出会えば最後。
色を喰われて灰と化す。

良い花は『花喰い』にとっては極上の糧ぞ。

これは、その『花喰い』と少女のはかなき物語。
        

たった一人古城で暮らすキャロルは薔薇を育てて生計を立てていた。
ある朝、庭の薔薇の一角が跡形もなく、消え去っておりました。
いやな予感がしましたが、大して気にも留めず、朝市へと出かけていきました。

暗くなった帰り道を急ぐキャロルの前に現れたのは……。